みなさま、こんにちは。
心理学を学んでいると「なるほどなぁ」と思わせられる理論にたくさん出会えます。
その中で今日は、マズローというアメリカの心理学者が唱えた“人間の欲求”(欲求5段階説)についてお話しようと思います。
彼曰く、人間には大きく分けて以下の5段階の欲求があるとのことです。
1. 生理的欲求
2. 安全の欲求
3. 所属と愛の欲求
4. 承認(尊重)の欲求
5. 自己実現の欲求
ちょっとややこしい専門用語なので簡単に言いますと、
1は、食事・睡眠・排泄など、生命に関わるもの。
2は、健康や、安全に暮らせる場所、経済的な安定(つまりお金ですね^^;)
3は、友達や、恋人、仲間など精神的なつながり。
4は、他者から尊敬されたいと思うこと(地位や名誉)
5は、自分の可能性を試したい、伸ばしたい、人として成長したいと思うこと。
という感じでしょうか。
そして、人は1が満たされると2を満たしたくなり、次に3そして4→5へと欲求段階が進んでいくというのが彼の理論です。
この理論、個人的にはちょっと矛盾を感じるところもあるのですが、基本的には「なるほどなぁ」と思わされます。
例えば、ちょっと考えてみてください。
体調が悪くてどうにもならないのに異性との出会いの場に行こうと思いますか?
経済的に苦しくて毎日がギスギスしているのに楽しい仲間の集まりに参加しますか?
自分は誰からも必要とされてないと感じるのに、地位や名誉が欲しいと思いますか?
恋人が欲しくてたまらないのに「人として成長すること」を優先に行動できますか?
家賃が払えないほど経済的に苦しいのに、仕事選びに「やりがい」を重視しますか?
こう考えると、5つ目の欲求である「やりがい」や「自分の可能性を試してみたい」といったものを求めている人は、あるいみ “幸せ者”なのかもしれません。
だってそれ以前の欲求、つまり健康な身体、ある程度安定した収入、仲間や友人、恋人との精神的な絆が満たされている上に、その人たちから「すごいね~」と言ってもらえて、尚且つ、仕事面でもある程度認めてもらえているといった全ての欲求が満たされていることになるのですから。
そして、そんな「やりがい」を求めているあなたが抱えている欲求は、もしかしたら他の人にとってはとんでもなく“贅沢な悩み”なのかもしれません。
もっといえば、5段階目にいる方々は時に悪気はなくても大切な友人や恋人を不快にさせてしまうおそれがあります。
例えば、経済的に大変な思いをしていたり恋人と別れて淋しい想いをしている友人を励まそうとして「あなたもなにかやりがいを見つけたらもっと前向きになれるかもよ!」的なことを言ったらどうでしょうか。
きっと相手は「それはそうかもしれないけど、こんな時にそんなこと言われても…」と戸惑うに違いありません。
マズローの欲求段階説においては、段階が低い人が人間的に下で高い人が上ということはありません。あくまでも、人の欲求にはこのような段階をたどる傾向があるということを唱えているだけです。
ただ彼の理論から学べることは、
自分がどの段階にいようと、相手と自分は置かれている状況も物事の捉え方も考え方も全く違うということを常に頭に置いて“決して自分の価値観を押し付けるようなことはしてはいけない”ということなのかなぁと思います。
ちなみに補足ですが、5段階目の「やりがい」を求めているような人達も実は案外
「やりたいこと(好きなこと)=達成感・満足感」だと信じているのかもしれません^^
あなたが今、満たしたい欲求はどれですか??