
みなさま、こんにちは。
今日も授業でした。
私の受けているコースは、何度も言ってクドいのですが「アルコールと薬物依存&メンタルヘルス」 です。
そして、このコースが目指すゴールは、アルコールや薬物依存またはメンタルヘルスなどの問題を抱えられた方の回復のお手伝いをする “サポートワーカー”という仕事に就くために必要な知識とスキルを身につける事です。
ですがこのコース、(以前も言いましたが) 入学するにあたって、特に精神医学や心理学の知識やスキルは一切必要とされませんでした。しかも、英語のテストなどもありませんでした。
ところが、実際に授業でやっていることは、まさにカウンセリング技術の習得そのものなんです。
そんな授業内容に最近はものすごく違和感を感じています。
カウンセリングは「ただ相手の悩みを聞いていればいい」と、一見簡単そうに見られがちですが、実際は本当に繊細で、奥が深く、どんなに研鑽を積んでも完璧になることなどありえないれっきとした“学問” なのです。
とくに、自分自身の問題を克服できていない人がカウンセリングをすることは、自分にとってもクライエントにとっても大変危険な行為ですし、ましてやカウンセリングの “繊細な部分” を理解してもいないのに、技術の上っ面だけを短期間で学んでそのまま臨床現場へ乗り込むなんて、本当に「恐ろしい」 としか言いようがありません…。
なぜ、こんな事を熱く語っているのかといいますと、
実は今日、【自分が勤務する施設に初めて訪れたクライエントとの面談】 という設定で、ロールプレイのテストがあったのです。時間が足りなくて私は今日は受けなかったのですが、他の生徒さんのプレイを観ていて、そして、それを指導している先生のやり方を見ていて、正直、具合が悪くなってしまいました…。
面談の流れ(内容)はカウンセリングそのものなのに、ずっと話をしていたのはクライエントではなく断然ワーカーの方でした。みんな緊張していたのは分かりますが、とにかくものすごい早口で捲し立て、クライエント役の人がひたすら 「ウン、ウン」とその話を聴いていたのです…(-_-;)
しかも極めつけは、面談の最後に “スケーリングクエスチョン(Scaling Question)” を投げかけるのです。
「あなたの気分を0~10(最悪=0、最高=10)までの数字で表すと、ココに来た時の数字はいくつでしたか?」
そして、
「では、こうして話をした後の今のあなたの気分を数字で表すと?」
… … … … (-_-;)
この質問に対して、誰が、はじめより小さい数字を言えるでしょうか!?
人間は相手に何かをしてもらった時は、何かをして返そう(返さなければいけない)と考える生き物です。
これを心理学では「好意の返報性」 と言います。
そう考えると、クライエントが 「わざわざ話を聴いてもらったのに、気分が悪くなったなんてとても言えない…」と考えてしまう事は言うまでもありません。
もっというと、そうやって相手の事を考えて思い悩んでしまう人こそがカウンセリングを必要とする人なのです。
この質問で、小さな数字を正直に言える人はそもそも“うつ状態”に陥ることは少ないのです。
先生にはこういう人間の繊細な部分を教えてもらいたいなぁ~と思う私は、高望みなのでしょうか…。
それともこれは日本人独特の感覚なのでしょうか…。
オージーはこんな質問をされても何とも思わないのでしょうか…。
謎ばかりです…(◎_◎)
とにもかくにも今の私の心境は、違和感だらけのこのロールプレイをパスできる気が全くしません…><
今日のお題は、カウンセリングにまったく興味のない方にとってはきっと退屈でしたね。
それでもお付き合いくださってありがとうございましたm(_ _)m