「うつ病」の誤解

みなさま、こんにちは。

 

「うつ病」

この病気を聞いたことがないという人は、今ではもうほとんどいないのではないでしょうか。

ところがこの「うつ病」、名前は広く知れ渡った割にその実体を正しく理解している人が思いのほか少ない事に驚かされることがよくあります。

 

そこで今日は、よくありがちな“うつ病の誤解”について少しお話したいと思います。

 

「うつ病」の主な特徴として、

・気分が落ち込んで、何もする気がおこらない。
・意味もなくイライラしたり、悲しくなったりする。
・食欲がなくなったり、逆に、過食になったりして体重が増減する。
・眠れなくなったり、眠りが浅くなったり、または過剰に眠たくなる。
・疲れやすく、決断力や集中力もなくなる。
・これまで楽しかったことが楽しいと思えなくなる。
・生きている意味がないと思ってしまう。

などの症状が挙げられます。

そして、これらの症状が2週間以上続くとはじめて「うつ病」を疑うことができます

※ここではできるだけシンプルに説明したいので細かい診断基準などは割愛させていただきますが、更に細かく知りたいという方は厚生労働省のページなどを参考にしてみてくださいね。

 

とはいうものの、よく考えてみてください。

このような症状ってある意味誰にでも起こり得る感情の変化だと思いませんか?

 

それでも「このような症状で大変困っている」とお医者さんに訴えれば、たいていお医者さんは「うつ状態ですね」と診断書を書いて薬を処方してくれます。
※ 間違ってもお医者さんを悪く言っているわけではありませんので誤解のないようにお願いします。ただ、うつ病のような「心の病」は外傷があるわけではないので表面的に判断することがたいへん難しいために、どうしても自己申告のような状態になりがちだということが言いたいだけなのです。m(_ _)m

 

…と、ここまではいいのですが、実は肝心なのはこの後で、

 

「うつ状態」と診断されたとたん、それを周りの人たちに自ら言ってまわりそれを理由に仕事や日常生活でやるべきことをやらなくなり「頑張らなくていいんだよ!」と言ってくれる周囲の人たちの優しさにどっぷり甘えて、好きな事だけをしてのんびりと過ごしている“(自称)うつ病重症患者”が存在するという事実です。

 

さらにいえば、その“(自称)うつ病重症患者”の周囲の人々(家族や職場の上司や同僚など)が「うつ病=頑張らせてはいけない」という教えを忠実に守ろうとするあまり、逆に疲労困憊してしまっているケースが少なくないということです。

 

実際にこのような状態に陥ってしまっていた方からご相談を受けたことも何度かありますが、こういった場合、より深刻で何らかの対処が必要なのは、その“(自称)うつ病重症患者”ではなく周囲の方々であることが多いものです。

 

そこで、そんなやり場のない苦しみを味わっておられる方々のために、本当に頑張らせてはいけない「メランコリー親和型うつ」と、多少の刺激を与えたほうがよい「非定型うつ」の違いを見分けるヒントをごくごく簡単に挙げてみたいと思います。

 

メランコリー親和型は、

①一日中ずっと気分が落ち込んでいる。
②今まで好きだったことですら楽しめない。やる気も起らない。
③何もできないことを申し訳ないと自分を責める。
④不眠、食欲性欲が減退。
⑤抗うつ薬で改善

 

非定型は、擬態うつと呼ばれることもあります。

①仕事や家事などやりたくない事に対して気分は落ち込むが、趣味は楽しめる。
②二言目には「うつ病なのに!」と周りの人間を責める。
③過眠・過食のため体重増。
④抗うつ薬の効き目が悪い

 

ちなみにこれら↑↑は絶対的な診断基準ではないので、ほんの参考程度に留めていただきたいのですが、でももしこういった傾向に心当たりがあってその対処法が分からず悩んでおられる方がいらっしゃいましたら、精神科医もしくは有能なカウンセラーのもとへ一度ご相談に行かれることをお勧めいたします。

きっと何らかの有益な助けが得られることと思います。

心の病で辛い思いをされている方、そしてそれを懸命にサポートしようと頑張っておられるご家族や友人、同僚の方々の荷が少しでも軽くなりますように…と願いを込めて。

 

 

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追記(2018年7月):メランコリーうつも非定型うつも表面化する態度や行動は違うものの、どちらもうつ症状があり【こころの問題】ということには変わりありません。いずれにしろ、これらの問題を根本的に解決できるのは【薬】ではありません。本気で治したい、という方は一度当相談室(KOKORO BRISBANE)までお問い合わせください。

 

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